思いがけない早上がり、だから横浜へ
ふとした偶然が、嬉しい時間を運んでくることがある。
この日もそんな日だった。
思いがけず仕事が早く終わり、信州亀齢を味わうために横浜へ向かうことにした。
以前川崎で働いていた頃、よく通ったアソビル。
久しぶりにその一角にある、煮干しラーメンの名店に足が向いたのだ。
名前は変われど、香りは変わらず
到着してみると、かつての「横浜丿貫」は「麺処 にぼし香 アソビル店」という名に変わっていた。
とはいえ、その香りはしっかりと記憶のまま。
煮干しラーメンの香りとともに、日本酒のラインナップが目を引く。
そして何よりも感動したのは、入店と同時に店長さんからの「お久しぶりです!」の一言。
一年以上ぶりだというのに、こうして覚えていてくれるなんて。
やっぱりこういうお店こそ、何度でも通いたくなるものだ。
信州亀齢、ここで出会えた幸せ
さて、カウンターに腰を落ち着けたら、さっそくの一杯。
ふとメニューに目をやると、「信州亀齢」の文字が目に飛び込んできた。
ああ、ここでこの酒と再会できるとは――それだけでもう、嬉しさがこみ上げてくる。
まずは「信州亀齢 純米吟醸 山恵錦」を注文。
グラスを傾けると、ふわりと立つ香りに心がほどけていく。
フレッシュでフルーティー、それでいてしっかりと芯のある味わいがたまらない。
そして続けてもう一杯、「信州亀齢 純米吟醸 金紋錦」も。
甲乙つけがたいが、今日の気分には山恵錦が少しだけ寄り添ってくれた気がする。
今日の一杯:信州亀齢 山恵錦(しんしゅうきれい さんけいにしき)

というわけで、今日の一杯はやはり「信州亀齢 純米吟醸 山恵錦」。
香り・味わい・後口のどれもがバランスよく、じんわりと体に染み渡っていくような優しさがあった。
この酒に出会えただけでも、今日は来た価値があったと胸を張って言える。
信州亀齢のひとくち豆知識
信州上田の老舗・岡崎酒造が仕込む「信州亀齢」は、350年以上の歴史を持つ蔵元の誇り。
北アルプスの伏流水と信州産の酒米から生まれるその味わいは、透明感と華やかさ、そして繊細なキレを併せ持つ。
女性杜氏による丁寧な少量仕込みが、毎杯に個性と深みを与えている。
最後はやっぱり、煮干しラーメンで
美味しいおつまみと信州亀齢の余韻を楽しんだら、そろそろ締めの時間。
もちろん最後は、看板メニューの「煮干しラーメン」をいただく。
これがまた、ラーメンとは思えないほど繊細な旨味で、日本酒の余韻と見事に調和してくれる。

煮干しラーメンと信州亀齢、意外なようで最高の組み合わせかもしれない。
また来よう、と思える夜
こうしてあっという間に過ぎていった、横浜の幸せな夜。
駅に向かいながら、ふと「またすぐに来よう」と思った。
きっと、またこんな日があるはず。信州亀齢と煮干しラーメンが待っている――そんな予感を胸に、帰路についた。
🍶 おじ散歩 日本酒メモ
- 信州亀齢 純米吟醸 山恵錦(長野)
信州亀齢 純米吟醸 山恵錦は、長野県産の酒米「山恵錦」を全量使用し、55%まで精米した純米吟醸酒。香りはメンソールやラムネを思わせる爽快さがあり、口当たりはジューシーでフルーティー。ふくよかな甘みの後に、乾いた酸とキレのある後味が続くのが特徴。
👉 岡崎酒造 公式サイト
訪れたお店:麺処 にぼし香 アソビル店(場所:横浜)
横浜駅直結の複合施設「アソビル」1階にある、煮干しラーメンと日本酒をテーマにした一軒。
元・「横浜丿貫(へちかん)」の流れを汲み、現在も煮干しを中心とした個性派ラーメンと、全国から選りすぐった日本酒が揃う店として人気。
シンプルで落ち着いた内装の店内には、昼から一人でふらりと訪れる常連も多く、日本酒目当ての客も少なくない。
季節ごとにラインナップが変わる日本酒には、「信州亀齢」や「花陽浴」「風の森」など、通好みの銘柄も顔をそろえる。
つまみも小皿で充実しており、飲みも食事も両方楽しめる、まさに“おじ散歩”向きの一軒。
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