ゆっくり歩き出す、二日酔いの朝
昨日は少し飲みすぎた。先輩からの急なお誘いにのって、ワインをぐいぐい。楽しかった記憶と反比例するように、今朝の頭は少し重たい。しかも今日は萩錦の日本酒イベント。
電車の中で、少しだけ後悔しながらコンビニでヘパリーゼを購入。さて、今日も歩き出そう。
静岡の風と、萩錦との出会い
会場では、いつもの日本酒仲間と合流。どうやら他のイベントと日程が重なっていたらしく、参加者は少なめ。けれどその分、蔵元の方とじっくり話すことができた。
静岡の酒蔵、萩錦。以前に飲んだことはあったものの、こうしてイベントでじっくり向き合うのは今回が初めて。そこで、事前に少し調べたところ、「日々の食卓に寄り添うお酒」とのこと。そんな一杯に、今日はどんな出会いが待っているのだろうか。
しっとりと、静かに酔う
イベントでは、なんと12種類もの萩錦が用意されていた。

番号は左側から
1 萩錦 純米吟醸 斗瓶囲い 静岡県産山田錦
2 萩錦 純米大吟醸 静岡県産山田錦
3 萩錦 純米吟醸 兵庫県産山田錦
4 萩錦 登呂の里 特別純米酒 長野県産美山錦
5 萩錦 駿河酔 純米酒 静岡県産誉富士
6 萩錦 土地の詩 Summer Limited Edition 長野県産ひとごこち
7 萩錦 HAGINISHIKI NO NIWA KASUMI 富山県産五百万石
8 萩錦 純米吟醸 生原酒 令和誉富士 荒走り 静岡県産令和誉富士
9 萩錦 純米吟醸 生原酒 美山錦 荒走り 長野県産美山錦
10 萩錦 ナイショのかすみ酒 長野県産ひとごこち
11 萩錦 純米酒 生酛 生原酒 岡山県産雄町
12 萩錦 特別本醸造 生原酒 長野県産美山錦
最初の一杯は斗瓶囲いの山田錦。乾杯とともに、そのやわらかな旨味が口いっぱいに広がる。気づけば二日酔いのことなどすっかり忘れ、幸せな気分で杯を重ねていた。
さらに、焼き鳥、お刺身、生ガキ…どれも美味しく、そして不思議なくらい、萩錦とよく合う。うまく言えないけれど、まさに「しっくりくる」という感覚がぴったりだった。
目と舌に残る、余韻のかたち
個人的に心惹かれたのは、ラベルのデザイン。やわらかな色彩と、どこか物語を感じる絵柄。蔵の方に伺うと、お知り合いの女性アーティストによるものだそう。そんなところにも、萩錦のやさしさがにじみ出ている気がした。
そしてもうひとつ印象的だったのが、いただいた仕込み水だ。静岡を流れる安倍川の伏流水で、蔵の敷地内から自噴しているという。実際に口に含むと、まるで酒そのもののようにまろやかで、ふくよかな味わいが広がった。
今日一番の一杯:萩錦 ナイショのかすみ酒(はぎにしき ないしょのかすみざけ)

12種類、どれも個性があり選びきれない中で、特に気になったのが「ナイショのかすみ酒」。ほんのり霞んだその姿と、マスカットのような爽やかな香りが印象的だ。また、フルーティな酸味とまろやかな旨味が、料理の味わいを豊かに彩るだろう。
またひとつ、酒がつなぐ旅の記憶
帰り際、蔵の方が「今度は静岡にも遊びに来てくださいね」と声をかけてくれた。蔵は静岡駅の近くだという。電車に揺られながら、その言葉を思い出す。
今回の萩錦イベントは、酒の味わいだけでなく、人の温もりにも触れられるひとときだった。また近いうちに、静岡の空気の中で、もう一度萩錦と出会ってみたい。そんな想いを胸に、今夜は静かに家路についた。
🍶 おじ散歩 日本酒メモ
- 萩錦 ナイショのかすみ酒(静岡)
萩錦の季節限定酒「ナイショのかすみ酒」は、荒走りを直汲みした無濾過生原酒。そのため、うっすら濁った見た目に、爽やかなマスカットの香りがふわりと広がる。ジューシーな酸味と米の旨味、ほのかな苦みで食事にもぴったり。若い造り手の挑戦が光る、「土地の詩」シリーズの特別バージョン。ナイショにしたくても、つい誰かに話したくなる一杯。
👉 萩錦酒造 公式サイト
以前参加した英君のイベントもあわせてどうぞ。こちらもまた違った魅力にあふれています。
コメント