札幌の実家に帰るのは3カ月ぶり
なんだかんだで、札幌の実家に帰るのは3カ月ぶりだった。
東京は半袖で過ごせるほど暑かったけれど、北海道はさすがに寒いだろうと覚悟して、長袖を一枚羽織って向かった。
ところが、札幌はまさかの今年最高気温。7月中旬並みの暑さに完全にやられた。長袖を一枚羽織っただけの自分が、異様に汗だくになってしまった。でも、まわりを見渡すと、地元の人たちは平然と厚着をしている。不思議といえば、不思議だ。
ススキノの夜、人波の中へ
夜は親戚との食事を終えたあと、ひとりでススキノへ繰り出した。この日はどうやらサザンオールスターズのライブがあったらしく、人の波がすごかった。
ススキノといえば、若い頃から“ちょっと怖い街”というイメージが染みついていて、表通りはともかく、裏路地に足を踏み入れると今でもどこか怪しげな空気を感じる。でもそれがまた、夜のススキノの魅力でもある。
再訪、「晩酌 餐月」(ばんしゃく さんがつ)
目指したのは、前にも訪れた「晩酌 餐月」。あの時の楽しさが忘れられず、再訪を心に決めていた。
店内はカウンターのみ、10席もない小ぢんまりとした空間。だが、その分だけ客と店主の距離が近く、日本酒好きにはたまらない場所だ。店主はとても個性的で、会話も上手く、ついつい話し込んでしまうほど楽しい人だった。飲み放題プランもあって、日本酒は20種類以上。料理もひと品ひと品丁寧で、お酒が進む。店主とのやりとりも、周りのお客さんとのちょっとした会話も心地よく、気づけば時間を忘れていた。
日本酒とワインの新しい発見
日本酒は自分で選ぶのもよし、好みを伝えておまかせするのもまた一興。冷蔵庫をのぞき込んで決める人もいれば、おつまみに合わせた一杯をすすめてもらう人もいる。
この日は、珍しくワインもいただいた。普段は日本酒一辺倒だが、この夜はワインの魅力にも引き込まれた。
今日の一杯:麒麟山 なごり雪(きりんざん なごりゆき)
今回紹介したいのは、麒麟山酒造の「なごり雪」。

久々のにごり酒だったけど、これは本当に美味しかった。やさしい甘みがありながら、後味は驚くほどすっきりしていて、飲み飽きしない。
春限定の一本ということで、季節のめぐりを感じながら楽しめる贅沢な一杯。雪どけの余韻をまとったようなその名の通りの味わいで、また来年もこの時期を楽しみにしたくなった。
今日の一杯の豆知識
「なごり雪」は、麒麟山酒造が春限定で出荷する純米吟醸のにごり酒。
使用米は新潟県産の五百万石、精米歩合は55%。純米吟醸らしい繊細な香りと、にごり酒ならではのまろやかさが共存している。
酒質は「やや甘口」に分類され、アルコール度数は15度。うっすらと白いおりが混ざる外観で、冷やして飲むのがおすすめ。春の食材との相性を意識して造られた一本で、毎年2月から4月にかけて出荷される限定酒とされている。
(参考:麒麟山酒造 公式サイト)
また、このカウンターで
この日は一人でしっぽり飲むつもりが、気づけばたくさん笑って、良い感じに酔えた夜になった。
次に札幌に戻ったときも、またこの店で日本酒を楽しみたい。
🍶 おじ散歩 日本酒メモ
- 麒麟山 なごり雪 純米吟醸 にごり酒(新潟)
新潟県東蒲原郡阿賀町に蔵を構える麒麟山酒造が、毎年2月から4月にかけて出荷する季節限定のにごり酒。原料米には五百万石を使用し、精米歩合は55%。にごり酒ならではの甘みを持ちながらも、麒麟山らしいすっきりとした後味が特長とされている。
👉 麒麟山酒造 公式サイト
訪れたお店:晩酌 餐月(場所:札幌ススキノ)
ススキノのビルの一角にある、カウンターのみのこぢんまりとしたお店。
店内はガラス張りで、外からも中の様子がよく見える。開放的で、でもどこか落ち着く雰囲気。店長さんの人柄が温かく、初めてでもすぐに馴染める。話も楽しく、つい長居してしまう。料理はどれもレベルが高く、日本酒のラインナップも豊富。ススキノで日本酒を楽しむなら、ぜひ訪れてみてほしい一軒。
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