札幌の寒さに迎えられて
両親に会うため、また札幌へ向かった。
こうも頻繁に訪れるようになると、街の景色の新鮮味も少しずつ薄れてくる。
それでも、降り立った瞬間のキーンとした冷気には毎回驚かされる。東京より10度以上も低い気温に、思わず肩をすくめた。
着込みすぎたと思っていた上着も、この寒さの前ではむしろ頼もしい。

ススキノに呼ばれて、晩酌 餐月へ
街中を少し散歩して観光気分を味わったあと、夜の灯りに誘われてススキノへ。
向かったのは、以前も訪れた「晩酌 餐月」。
店主の個性と人柄がにじむ、あの居心地の良い店だ。
息子とカウンターを囲む夜
今回は息子を連れての来店。
ちょうど席が空いたタイミングだったようで、店主がいつもの調子で迎えてくれる。
「軽くお通しだけ出すね」と言いながら、出てくる料理はどれも手が込んでいて、思わず笑ってしまうほど。
これだから、この店に何度も足を運びたくなる。
好みも違えば、酔い方も違う
息子とそれぞれ好みを伝えて、いろいろな日本酒を楽しんだ。
外で一緒に飲む機会は少ないので、自然と気分も上がる。
同じ銘柄を飲んでも、親子で「これ好き」「これはちょっと違うな」と感じ方が違うのが面白い。
そんな違いもまた、酒の時間の楽しさだ。

今日の一杯:播州一献 七宝 純米 無濾過生原酒

今回いちばん心に残ったのは、播州一献「七宝」無濾過生原酒。
ピチピチ弾けるガス感が心地よく、改めて「自分はにごり好きなんだな」と再確認してしまった。
これからにごり酒の季節がやってくると思うと、胸が高鳴る。
播州一献 七宝の小さな豆知識
播州一献「七宝」は、兵庫県産「兵庫北錦」を使った生原酒シリーズ。
“七宝”という名には、円満・調和・ご縁といった意味が込められている。
真吟精米による軽快な飲み口に、メロンやシャインマスカットのような瑞々しい香り。
そこに搾りたてならではのガス感が重なり、甘・酸・キレのバランスが見事に整った一本だ。
ススキノの夜風と、もう一つの思い出
店を出る頃にはすっかり夜も更けていたが、息子が「どうしてもラーメンが食べたい」と言い出した。
満腹のまま、冷たいススキノの街を歩き回る羽目に。
しんどいようで、どこか楽しい。
こんなやり取りも、いつか思い出になるのだろう。
訪れたお店:晩酌 餐月(場所:札幌ススキノ)
ススキノのビルの一角にある、カウンターのみのこぢんまりとしたお店。
店内はガラス張りで、外からも中の様子がよく見える。開放的で、でもどこか落ち着く雰囲気。店長さんの人柄が温かく、初めてでもすぐに馴染める。話も楽しく、つい長居してしまう。料理はどれもレベルが高く、日本酒のラインナップも豊富。ススキノで日本酒を楽しむなら、ぜひ訪れてみてほしい一軒。
以前札幌・ススキノを散歩した際に行った晩酌 餐月もあわせてどうぞ。
こちらもまた違った魅力にあふれています。

